6日月第30帖(203) ヒット1件目
おのころの国成り、この国におりましてあめとの御柱(みはしら)見立て給ひき。(ここ)に伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)島生み給ひき。初めに水蛭子(ひるこ)、
淡島(あわしま)、
生み給ひき。この御子、国のうちにかくれ給ひければ、次にのりごちてのち生み給へる御子、
淡道之穂之三別島(あわじのほのさわけしま)、
伊予の二名島(いよのふたなしま)、
この島、
愛媛(えひめ)、
飯依比古(ひひよりひこ)、
大宜都比売(おおけつひめ)、
建依別(たてよりわけ)
と云ふ。次、
隠岐の三子島(おきのみつこしま)、
天之忍許呂別(あまのおしころわけ)。
次、
筑紫島(つくししま)、
この島、
白日別(しらひわけ)、
豊日別(とよひわけ)、
建日向日豊久土比泥別(たけひむかひとよくづひぬわけ)、
建日別(たてひわけ)。
次、
伊伎島(いきしま)、
天比登都柱(あめのひとつはしら)。
次、
津島(つしま)、
天狭手依比売(あめのさてよりひめ)。
次、
佐渡島(さとしま)。
次、
大倭秋津島(おおやまとあきつしま)、
天津御空豊秋津根別(あまつみそらとよあきつねわけ)、
次、
吉備之児島建日方別(きびのこしまたてひかたわけ)。
次、
小豆島(あづきしま)、
大野手比売(おおぬてひめ)。
次、
大島大多麻流別(おおしまおほたまるわけ)。
次、
女島(ひめしま)、
天一根(あめひとつね)。
次、
知詞島(ちかのしま)、
天忍男(あめのおしを)。
次、
両児島(ふたこしま)、
天両屋(あめふたや)、
二島(にしま)、八島(やしま)六島(むしま)、合せて十六島生み給ひき。次にまたの給ひて、大島、小島、生み給ひき。
淡路島(あわじしま)、
二名島(ふたなしま)、
おきの島、
筑紫の島(つくしのしま)、
壱岐の島(いきのしま)、
津島(つしま)、
佐渡の島(さどのしま)、
大倭島(おおやまとしま)、
児島(こじま)、
小豆島(あづきしま)、
大島(おおしま)、
女島(ひめしま)、
なかの島、
二子島(ふたこしま)
の十四島、島生みましき。次に、いぶきいぶきて、御神生み給ひき。
大事忍男神(おほことおしをのかみ)、
大事忍男神(オホコトオシヲノカミ)、
石土毘古神(いしつちひこのかみ)、
石土毘古神(イシツチヒコノカミ)、
石巣比売神(いしすひめのかみ)、
石巣比売神(イシスヒメノカミ)、
大戸日別神(おほとひわけのかみ)、
大戸日別神(オホトヒワケノカミ)、
天之吹男神(あめのふきをのかみ)、
天之吹男神(アマノフキヲノカミ)、
大屋毘古神(おおやひこのかみ)、
大屋毘古神(オオヤヒコノカミ)、
風木津別之忍男神(かさけつわけのおしをのかみ)、
風木津別之忍男神(カサケツワケノオシヲノカミ)、
海神(わたのかみ)、
海神(ワタノカミ)、
大綿津見神(おほわたつみのかみ)、
水戸之神(みなとのかみ)、
水戸の神(ミナトノカミ)、
速 秋津比神(はやあきつひのかみ)、
速 秋津比売神(はやあきつひめのかみ)、
速 秋津比売神(ハヤアキツヒメノカミ)、
風神(かぜのかみ)、
風神(カゼノカミ)、
志那都比古神(しなつひこのかみ)、
木神(きのかみ)、
木神(キノカミ)、
久久能智神(くくのちのかみ)、
山神(やまのかみ)、
山神(ヤマノカミ)、
大山津見神(おほやまつみのかみ)、
野神(ぬのかみ)、
野神(ヌノカミ)、
鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ)、
野椎神(ぬつちのかみ)、
鳥之石楠船神(とりのいわくすつねのかみ)、
天鳥船神(あめのとりふねのかみ)、
大宜都比売神(おほけつひめのかみ)、
大宜都比売神(オホケツヒメノカミ)、
火之夜芸 速 男神(ひのやきはやをのかみ)、
火之煇比古神(ひのかがひこのかみ)
生みましき。 速 秋津日子(はやあきつひこ)、 速 秋津比売(はやあきつひめ)、二柱の神 川海(かわうみ)に因(よ)りもちわけ、ことわけて、生ませる神、
沫那芸神(あわなぎのかみ)、
沫那美神(あわなみのかみ)、
頬那芸神(つらなぎのかみ)、
頬那美神(つらなみのかみ)、
天之水分神(あめのみくまりのかみ)、
国之水分神(くにのみくまりのかみ)、
天之久比奢母智神(あめのくひさもちのかみ)、
国之久比奢母智神(くにのくひさもちのかみ)、
次に、大山津見神(おほやまつみのかみ)、野椎神(ぬつちのかみ)の二柱神、山野(やまぬ)に依りもちわけて、ことあげて生みませる神、
天之狭土神(あめのさつちのかみ)、
国之狭土神(くにのさつちのかみ)、
天之狭霧神(あめのさぎりのかみ)、
国之狭霧神(くにのさぎりのかみ)、
天之闇戸神(あめのくらとのかみ)、
国之闇戸神(くにのくらとのかみ)、
大戸惑子神(おほとまどひこのかみ)、
大戸惑女神(おほとまどひめのかみ)、
大戸惑子神(オホトマドヒコノカミ)、
大戸惑女神(オホトマドヒメノカミ)
生みましき、伊邪那美神(いざなみのかみ)やみ臥(こや)しまして、たぐりになりませる神、
金山比古神(かなやまひこのかみ)、
金山比売神(かなやまひめのかみ)、
屎(くそ)になりませる神、
波仁夜須比古神(はにやすひこのかみ)、
波仁夜須比売神(はにやすひめのかみ)、
尿(ゆまり)に成りませる神、
弥都波能売神(みつはのめのかみ)、
和久産巣日神(わくむすびのかみ)、
この神の御子、
豊宇氣比売神(とようけひめのかみ)
と申す。ここに伊邪那美神(いざなみのかみ)、火の神 生み給ひて、ひつちとなり成り給ひて、根の神の中の国に神去り給ひき。ここに伊邪那岐神(いざなぎのかみ)泣き給ひければ、その涙になりませる神、
泣沢女神(なきさわめのかみ)、
ここに迦具土神(かぐつちのかみ)斬り給へば、その血 石にこびりて、
石析神(いわさくのかみ)、
根析神(ねさくのかみ)、
石筒之男神(いわつつのおのかみ)、
雍瓦 速 日神(みかはやひのかみ)、
樋 速 日神(ひはやひのかみ)、
建御雷男神(たけみかつちおのかみ)、
建布都神(たけふつのかみ)、
豊布都神(とよふつのかみ)、
御刀(みはかし)の手上(たかみ)の血、
闇於加美神(くらをかみのかみ)、
闇御津羽神(くらみつはのかみ)、
ここに殺されし迦具土(かぐつち)の御首(みかしら)に成りませる神、
正鹿山津見神(まさかやまつみのかみ)、
御胸に
於藤山津見神(おとやまつみのかみ)、
腹(みはら)に
奥山津見神(おくやまつみのかみ)、
陰(みほと)に
闇山津見神(くらやまつみのかみ)、
左の御手に
志芸山津見神(しきやまつみのかみ)、
右の御手に
羽山津見神(はやまつみのかみ)、
左の御足に
原山津見神(はらやまつみのかみ)、
右の御足に
戸山津美神(とやまつみのかみ)、
成りましき。ここに斬り給へる御刀(みはかし)、
天之尾羽張(あめのおはばり)、
伊都之尾羽張(いづのおはばり)、
と云ふ。ここに妹(いも)恋しまし給ひて根の国に追い往(い)で給ひき